Smart Select

a UI concept for the selection tool

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グラフィックソフトの有史以来、とかくIllustratorやFireworksのように矩形・円・自由曲線の組み合わせによって目的とするグラフィックを作り上げていくソフトウェアにおいて、最も使われてきたツールは、オブジェクトを選択するための「セレクトツール」に他ならないと思います。しかしこのセレクトツール、ソフトウェアの進化に追いついておらず、選択することが難しいツールになってしまっていないでしょうか。

複数のオブジェクトをグループ化(=グループA)し、さらにグループ化された別のオブジェクト(=グループB)をグループ化(グループA + グループB = グループO)した場合を考えます。さて、このOの中に含まれるAやBを「選択」したいとして、まともにその目的を果たせるセレクトツールを備えたソフトが、いったいいくつ存在するのでしょう。

僕の経験から言えば、残念ながら皆無です。Fireworks等多くのソフトでは「ダイレクト選択ツール」を使用することでレイヤーが上層にありクリック可能な部分の単一のオブジェクトは選択可能ですが、グループ内のグループは選択不可ですし、単一のオブジェクトであっても下層にあるものは選択することが出来ません。

Fireworks CS5のダイレクト選択ツールでは、グループOに含まれている、グループAを選択することが出来ない。
Illustrator CS5のレイヤーパネル。下層のグループや単一オブジェクトにアクセス可能ではあるが、ここから選択したいものをピンポイントに探し当てられるだろうか。

一方、Illustratorではレイヤーパネルを使うことでそれを可能にしていますが、これは本当に正しい方法なのでしょうか。目の前にあるものの中からオブジェクトを選びたいのに、なぜ画面の端にあるレイヤーパネルを眺めて、レイヤーの名称や嫌がらせのように小さいサムネイルを頼りに探さなければいけないのでしょう。ナンセンス過ぎます。

世の中、優劣は置いておいてグラフィック ソフトウェアは多数存在していますが、なぜ最も大事な機能の一つであるはずのセレクトツールは、右へ倣えのように・思考をやめてしまったかのように同じものなのでしょう。

そこで自分なりにより賢いセレクトツールを考えてみた。言葉や図で説明するのが難しかったので簡単なデモを用意しました。iPadではより直感的なタッチ操作が可能になっていますが、これはMacであればそのままトラックパッドにおけるジェスチャとして代替可能ですね。着想を得たものは、Macユーザであれば毎日いつも目にして使っているはずの“Exposé(エクスポゼ)”。

See the Pen Smart Select UI by Takehiko Ono (@onopko) on CodePen.


どこかのソフトウェアハウスがもし気に入ってくださったならさくっと実装してしまって欲しいし、他にもグラフィックソフトのこういったUIのアイデアならいっぱいある。とりあえず僕が今もっともイケヤバなグラフィックソフトだと思ってるSketch.appに載ってくれると嬉しいなーなど。