ワイヤレススキャン環境を実現してくれる “Doxie One”

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ちょっと前に買った “Doxie One” というドキュメントスキャナが、だいぶいい感じです。解像度は300dpiだったり、1枚1枚手差しだったりと、読み込み性能自体はエントリー機に属するもので際立った部分はないのですが、いいなと思うポイントがいくつか。

小さい

幅22cmのサランラップの箱を一回り大きくした程度のサイズで場所を取りません。重量も400gを切っていて、がっちりしたケースを装着したiPad mini程度。スキャナを持って外出するシチュエーションは自分の生活環境ではあまり思い浮かびませんが、銘打った「ポータブルスキャナ」の名に恥じないスペックですね。小さくて軽いことは正義。

スタンドアロン

Doxie OneはSDカードスロットを備えており、スキャンしたデータはここに挿入したSDカード内に保存されます。一般的にスキャナでスキャン作業を行う際には、コンピュータに接続してスキャンソフトを起動する必要がありますが、Doxie Oneにはその必要がない。

電源を入れてDoxie Oneにスキャンしたいものを差し込めば、自動的に紙送りされて挿入した紙のサイズに応じたトリミングをしてくれた上でSDカード内に保存をしてくれます。コンピュータ上での操作が必要ないばかりか、コンピュータの電源さえ入っていなくて良いという気楽さ。

コンピュータにスキャンした画像を取り込みたいときは、本体をUSBで接続するか、SDカードリーダーを介しての読み込みも可能です。「SDカードカメラリーダー」を使えば、iPadのカメラロールに保存することも可能ですね。

電源のワイヤレス化

Doxie OneにはACアダプタが付属していますが、電池用のスロットが備わっていて単4形乾電池4本での駆動も可能。前述の通りスキャン作業はスタンドアロンで行えますのでこれで煩わしいACアダプタから解放されます。


データ転送のワイヤレス化

Doxie OneはスキャンしたデータをSDカード内に保存することは言いましたが、実はこの保存する際の仕様が一般的なデジタルカメラと同じく、SDカード内に作ったDCIMフォルダ内に行われます。もともとスキャナとデジタルカメラは似たような構造の機械ですが、Doxie Oneの中身はさらにデジタルカメラに近いと言えますね。

ここでガジェットやデジタルカメラが好きな人ならピンときたかもしれませんが、世の中にはこんな便利なものがあります。

Eye-Fi”。

このカードには無線LAN機能が内蔵されていて、あらかじめ接続先のネットワークを設定しておけばコンピュータやオンライン上の画像ストレージサービスへの無線アップロードが可能です。つまりこれをDoxie OneのSDカードスロットに差せば、データの取り込みに関してもワイヤレス化が可能になるわけです。

かつ、もしEvernoteのアカウントを持っているのならEye-Fiからのアップロード先はEvernote以外考えられないのではないでしょうか。Evernoteにアップロードされた画像はサーバー側でOCR処理をかけてくれるため、画像内のテキストの検索が可能になるメリットは非常に大きいです(日本語の認識率はイマイチですが…)。


レシート、光熱費の領収書、薬の説明書き… など邪魔なので捨てたいけどデータとしては残しておいた方がいいかもという書類は身のまわりにたくさんあると思います。スキャンすればすっきりするけれど、その作業が億劫で仕方かなった人には本当におすすめできますね。ソファに座ってテレビ観ながらでもスキャンできる気軽さは素晴らしいです。

ちなみに、解像度が600dpi・内蔵リチウムバッテリなどを備えた上位機種として “Doxie Go” もあり、実のところEye-Fiとの連携が可能な点はこのDoxie Goのページでしかアピールされていないのですが、Doxie Oneでも問題なく可能です。Doxie One, Doxie Goとも日本では販売されていませんがサイトから直接購入できます。

One more thing

スキャン後、データがオンラインサービスにアップロードされたか通知が欲しい人は、Eye-Fi Centerからメール送信の設定が可能です。僕の場合はメールを受けとるほどでもないのでPushoverを使ってiPhoneにプッシュ通知を送る設定にしています。便利。